聖書を正しく理解する為の助け(4)

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https://youtu.be/H0UxFRGvbB8

 

今回は『よみ』について簡単に話していけたらと思う。
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この『よみ』という言葉は、日本神話におけるいわゆる死者の世界というふうに定義されている。ただ、この日本の神話にでてくる『よみ』という語がバイブルの中で使われているので、かなり読者の間では理解が難しいところとなっている。

まず、この『よみ』と訳されている単語なのですが、旧約聖書の中のヘブライ語のシェオル、そして新約聖書ギリシャ語のハデスである。ですからシェもハデスも意味は同じ。ただ、このヘブライ語のシェオル、ギリシャ語のハデスなんですが、これを日本語に翻訳する際に、妥当な言葉がなかったので、『よみ』という単語に訳されたものと思われる。

それで、興味深いのが口語訳聖書。

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口語訳聖書では黄色い泉と書く『黄泉(よみ)』と陰の府と書く『陰府(よみ)』

この2つが使い分けられている。どのように使い分けられているのかというと、旧約聖書では、『陰府(よみ)』、新約聖書では『黄泉(よみ)』が使われている。でも、新共同訳では『陰府(よみ)』が一貫して使われている。

新改訳聖書では、この部分をシェオルやハデスと訳していたようだが

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2017年の改訂版で、ひらがなの『よみ』というふうに訳し直されたようです。ただ、この言葉をジェームズ王欽定訳では、地獄と訳されている。こうなってくると完全に意味がわからなってしまう。アウト。

そもそも、ジェームズ王欽定訳というこの訳は、有名なウィリアムティンダル訳それもえせのウィリアムティンダル訳を物差しにして訳されたと言われているので、それは仕方ない。もちろん本物のウィリアムティンダル訳というのもある。この世の中に一冊しか存在していないと言われている。大英博物館に今は展示されていないと思う。

 

ここからは豆知識

創世記からマラキ書までのところでは、先ほど言ったヘブライ語のシェオルという言葉が70カ所以上使われている。そして、新約聖書の中では、ハデスが使われているが、10回しか出てこない。

 

話を戻す

一般に日本人目線から言うと、よみとやくされている為に、どうしても死後の世界とか、死者の世界というふうにイメージされがちですが、伝道の書9章5.10節ここを見れば一目瞭然。ここでまとめられている。では、口語訳聖書の伝道の書9章5.10節を読んでみたいと思う。

(朗読)

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この部分で訳されている『陰府』なのだが、一般に日本人目線で考えられているような死者の世界、死後の世界、そんなものではない。

もしそのような死後の世界があるのなら、伝道の書の9章5節、10節でこのようなこと書いてない。特に5節をみると、死者はもう何事をも知らないとか、もはや報いを受けることもないとか、その記憶に残る事柄さえもついに忘れられると書いてある。10節をみても、その『陰府』にはわざも計略も知識も知恵もないとはっきりかいてある。ようするに日本語で『陰府』と訳されているこのシェオル、ハデスは日本人目線の死後の世界ではなく、完全に意識のない状態を指している。死んだ人は意識がなく存在しなくなるということ。

イエス・キリストも実際には人間としては死にました。ですから、復活するまでの間、この陰府にいたことになっている。では、旧約時代の義人と呼ばれている人、例えば、アブラハムモーセダビデなど、イエスは復活するまでの間にそう言う人たちと会ってきたのか?となりますよね?

でも、イエスは復活した時、一切そういうことにはふれていない。なぜなら、イエスは亡くなられたとき、全く意識がなく、存在していなかったから。つまり、聖書の中で、死=意識がなくなる=存在しなくなるという意味。

ヘブライ語のシェオルは、ギリシャ語のハデスというのは、日本人感覚でいうような死後のせかいではないということ。

 

これは補足情報だが、例えば

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使徒行伝2章27節で使徒ペテロは詩編16編10節を引用している。もしよろしければ皆様も比較して読まれて確認してみてください。口語訳聖書の中でよみという語が旧約聖書新約聖書とで使い分けられている。この部分も読んでみたいと思う。

 

(朗読)

詩編16編10節

これ実際に見られるとわかると思うがここでは『陰府』が使われている。

使徒行伝2章27節

使徒ペテロが詩編16編10節を引用した。

(朗読)

ここでは『黄泉)』が使われている。

ですから、口語訳聖書ではヘブライ語のシェオルとギリシャ語のハデスという2つの単語を日本語の2つの漢字で使い分けたということがわかるのではないか?

 

結論

バイブルでは日本人目線で死後の世界というものは存在しないということ。人間は死んだら意識がなくなります。そして存在しなくなる。復活してくるかどうかは、ヤハウェに記憶されることにかかっている。